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- 2021.10.23
- 万博と松下さんと青年と――若者の声を聴く政治に
私が今、各地の演説で訴えている実績とお約束の一つに、2025年「大阪・関西万博」の開催を通して大阪・関西、そして日本の景気を回復し、未来の成長基盤をととのえていく――というものがあります。
「万博」と聞いても、20代・30代の方々の中には、イメージがわかず、ピンと来ないという方が多いかもしれません。一方、私と同世代の方であれば、昭和45年(1970年)3月から9月にかけて行われ、77カ国6400万人を超える入場者でにぎわった「大阪万博」を思い起こされることでしょう。
松下電器(現・パナソニック)の創業者・松下幸之助さんには、「大阪万博」にまつわるエピソードがあります。3月の開幕から数日後、会場内に建てられた松下電器の展示館「松下館」には、長蛇の列ができていました。なんとそこに、一般客にまぎれて並ぶ松下さんの姿があったのです。
“なぜ創業者が!?”――松下館の事務所モニターでその光景を見た副館長があわてて飛んで行くと、松下さんはこう答えたそうです。「何分待ったら入れるか、計っているのや」
松下さんは、待ち時間を最小限に抑えるための誘導方法を再検討するよう指示。さらに、夏に備えて「日よけ」の方法も検討するよう伝えました。これを受けて館内への誘導は一段とスムーズになりました。夏には暑さをしのげる野点用の大日傘が立てられ、さらには入場待ちのお客さんに紙の帽子が配られることになったのです。
「現場から発想する」――これが松下さんの信念でした。実は松下さんは、公明党の創立者とも深い交流がありました。二人の語らいは対談集にもなっています。互いに最も響き合った真情は「青年を大事にすること」でした。
◆ ◇ ◆
私たち公明党も結党以来、「現場」を大事にしています。現場の声を聞き、現場をしっかりと自分で見てからでないと「発言なし」という伝統があるのです。
そしてまた「青年と共に」との誓いがあります。若い世代の方々が何に苦しんでいるのかを知り、社会をどう変えていくかを一緒に考えてきました。
近年の具体的な取り組みとしては、「ボイスアクション運動」があげられるでしょう。2016年から始まったものです。コロナ禍前は、駅前など若者たちが集まりやすい場所で、議員自らが青年の皆さんと一緒にボードを掲げて、「やってもらいたい政策」の枠にシールを貼っていただきました。コロナ禍になってからは、インターネットのサイトも活用しています。1000万人以上の若者の声を直接、時の総理に届け、「幼児教育・保育の無償化」や「最低賃金の大幅アップ」など、たくさんの政策が実現してきました。
こうした地道な活動を、見てくださる方は、ちゃんと見てくださっているんですね。
先日、あるネットニュースの記事が目に飛び込んできました。タイトルは「衆院選、若者目線で選ぶなら…? 主要6政党を室橋祐貴さんが分析」。若者の声を政治に反映させることを目指して、与野党を問わず各党へ働きかけている超党派の若者団体「日本若者協議会」の代表理事・室橋祐貴さんが、インタビューに答えた内容です。
読んでみると、これがまた率直なコメントばかり。立憲民主党さんの「グッドポイント(良い点)」を尋ねられた室橋さんは、「若者政策に限定すると、正直あまり思いつきません。政策を見ると、ターゲットを明らかに高齢者においています」と手厳しい。
また共産党さんの「バッドポイント(悪い点)」については「実現していない政策がめちゃくちゃ多いこと。審議拒否が多く、国会の信頼を落とすひとつの要因となっていることです」と、容赦がありません。
その中で、公明党については、このように評価してくださったのです。
「他の政党と比べても公明党が若者の声を一番聞いているのは間違いありません。ユーストークミーティングをほぼ毎週やっていたり、インターネットで若者の声を集めて総理大臣に要望書を提出する取り組みも毎年やっています。こうしたことをきちんとやっているのは公明党だけです」
大学無償化、幼児教育の無償化、私立高校の無償化などの議論をリードしてきている点や、コロナ禍で若手研究者に追加支援を進めた点についても、高い評価をいただきました。「意思決定のスピードも早いです。不妊治療の費用負担や貧困世帯向けの手当など、福祉政策を得意としているので、貧困層や中間層の支援を手厚くするようなテーマについては公明党が一番強いと思います」とのお声も、本当にありがたい限りです。
◆ ◇ ◆
若者の投票率の低下が叫ばれて久しくなります。その背景には、「どうせオレらの一票なんて」とか、「どうせ私が投票に行ったところで」といった、“無力感”“あきらめ”があるのかもしれません。
私は、公明党は、「そんなことは絶対にない」と、声を大にして訴えたい。
「ボイスアクション」や「ユーストークミーティング」を通して、「あ! あの時の1枚のシールが、こういう結果につながったんや!」とか、「あの時、議員さんに伝えた声が、ちゃんと届いてる!」といった経験を、青年の皆様にしていただくこと。政策実現までのプロセスを共に分かち合っていくこと。それらをくり返し、くり返し、重ねていく中で、若者の政治への関心も必ず高まっていくのではないでしょうか。
「わたしは、青年たちと話をするのが好きですねん・・・」
この松下幸之助さんの言葉を、あらためてかみ締めています。
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